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【市場細分化の罠】
自宅最寄りの快速しか止まらない京王線の駅で待っていると、団子状態の3本の列車が通過していきます。準特急や区間急行というどこに停車するのか不可解な列車に続いて混雑時に迷惑な全席指定の京王ライナーが呑気に続きます。「もっと便利な毎日へ」という標語を額面通り受け取ることはできません。ノロノロ運転をするぐらいならハブ&スポーク理論に従って、ハブを結ぶ特急とスポークの各駅停車だけでよいはずですが今や列車の種類は7種類以上あります。不慣れなインバウンドでなくても、どれに乗ればよいのか分かりません。沿線人口の増加に期待できず目新しさにすがりたい気持ちも分かりますが、これは市場細分化の罠です。牛丼一筋をだいぶ昔に放棄した吉野家も「ライザップ牛サラダ」を出すご時世ですが、本質の大切さを見失っているように見えます。【夢を失う世界】
日本は総じて不幸の少ない国ですが、目をそむけたくなる凄惨な事件と向き合わないことはできません。運が悪かったでは済ますことのできない悲劇は世の必然なのでしょうか。自分の不幸を社会の責任に転嫁するのは簡単です。やりたいことがあればどのような境遇でも人生は充たされますが、幸せな生活を復讐対象にする人間はどこにも存在します。社会が方向感を失った現代は夢の持ちにくい時代かもしれません。経済成長の時にはシミュレーテッド・リアリティだったにしてもアメリカンドリームのような夢を社会が共有することができました。経済成長と新興宗教はセットとされるように、そこに取り残された人を宗教が救ってきましたが、現代の日本はそのどちらも力を失っています。【現場力を失う大企業病】
時々使う某航空会社はいつも遅れる飛行機というイメージがあります。遅延理由を羽田空港混雑の為と言いますがそれは本質的な理由ではないと思います。定時発着率の高い別の航空会社は窓側席の乗客から乗せて満席でも人の流れはスムーズですが、この会社は親会社の優先搭乗方式を踏襲します。搭乗機までバスを使う場合でも同じ搭乗方式のために、機内への搭乗順序が逆になり機内は混乱しますがお構いなしです。機内でもその印象は同じで、飲み物を回収する袋を持ち何度も通るCAはこちらが容器を返そうとしても気づきません。現場に改善力がなく漫然としたルーチンワークの惰性に陥る会社は、大小に関係なく大企業病です。写真はバスから見たトランプ氏の乗ってきたエアフォースワンで本文とは関係ありません。【復活する?運動会】
全国が猛暑日に見舞われた昨日は娘の高校の運動会に行きました。爽やかとは程遠い酷暑の気候は、もはや5月の東京で運動会をやることを難しくしています。遮るもののない校庭には真夏の日差しが降り注ぎ、救護室は熱中症の対応に追われ担架で運ばれる生徒もいます。昔ながらのリレー競技は今でも人気者ですが、ハイライトはここでもダンスです。運動会というと徒競走の順位も決めないなど、年々ひ弱になっていく印象でしたが、騎馬戦や棒倒しといった暴力行為に発展しかねない危険な伝統競技は今も健在です。本気でぶつかる若者の姿には清々しさを感じます。建前ばかりが渦巻く企業が運動会を復活させたくなる気持ちが分かります。【巨大な鬼城】
令和最初の国賓として日本を訪れるトランプ米大統領が、深遠な道筋を考えているのかアメリカ・ファーストの頑固者なのか分かりません。世界を巻き込み始めた米中経済戦争が抜き差しならない局面に入った時期の来日は歴史の転換点かもしれません。先日訪れた人口1,450万人の深圳市を見ると中国の発展は驚異的です。一方で中国は深刻な社会矛盾を抱えたままの強引な成長と、リーマンショック後のモラトリアムのつけがまわり、プラザ合意と人口オーナスの影響が日本を苦しめたように、人類史上最大のバブルが中国で崩壊するとの指摘もあります。ファーウェイ包囲網などが経済崩壊の引き金を引けば未来都市深圳さえ巨大な鬼城にならないとも限りません。日本も中国も持続不可能な政治を続ける点では同じですが、より人災に近いのは後者です。【美味しい食事ではなく、食事が美味しい】
多くの人が健康問題で頭を悩ます原因はそのゴールの曖昧さだと思います。健康のゴールは単純に快眠、快食、快便です。そのために必要なこともシンプルで早起き早寝、少食、運動です。これが実行できない理由も簡単で、脳に身体を操られているからです。その典型が「美味しい食事」という誘惑でしょう。グルメを自認する人は「食事」を追いかけますが、重要なことは食事が美味しいことです。食事は目的なのか手段なのかという命題に気づいたきっかけは糖質制限でした。空腹には二種類がありその違いは、脳の低血糖状態に対する欲求か否かです。この違いが分かると脳の欲求をやり過ごすことができ少食もダイエットも思いのままになります。それでも不健康が蔓延するのは単にヘルスリテラシーが不足しているからだと思います。【食べる執着をなくす】
日本工学院に行く日は一日一食の間欠的断食(Intermittent Fasting)をします。健康面から見ると現代人は3割ほど多く食べ過ぎているとの指摘がありますが、食事を3割減らすことは困難です。複数の宗教が断食を奨励するように、食べる日と食べない日を作ることは現実的な解決策になります。間欠的断食の魅力は食べることも食べない静かな時間も楽しめる点です。食べないことのメリットは血糖値スパイクを招かないことやミトコンドリアが活性化されること、長寿遺伝子がオンになるなどがあげられます。他方で人体は糖新生やケトン体産生により低血糖になることもありません。食べない時間をはさむことで食べることを再考します。食べることへの執着をなくすことこそが食べることの喜びを見出す秘訣だと思います。【巨大なミッシングリンク】
娘の同級生が連休にヒッチハイクで東北を旅行したという話を聞いたとき、「最近の子供でもそんなことをするんだ」と思いましたが、それこそシェアリングエコノミーです。時代は巡るのか温故知新なのか世の中は方向感を失ったようです。高校生の娘は自分が10代の頃のユーミンやカーペンターズを知っていて、時間が戻った感覚を覚えます。われわれは無意識に時間には一定の方向性があると考えますが、まだ気づいていない時間の断絶があると思います。700万年に及ぶ人類系統樹の時間軸から考えると、われわれが知るたかだか2000年の歴史など一瞬の点に過ぎません。現代人だけが人類史上唯一高度文明を築いたことは奇跡で、そこには巨大なミッシングリンクがあると思います。【単調が身体を蝕む】
時間に従って生きる現代の生活は単調になりがちです。月の単位で給料をもらい、月曜から金曜まで週の単位で働き、決まった時間に食事をします。しかしヒトの身体は未だに百万年単位の原始の身体と同じで、変化には数万年を要します。原始の時間は自然に依存し、日々変化していたはずですが、現代人は時間通りにいかないと強いストレスを感じます。やる気がなくても会社に行き、仕事がなければ作り出してでも機械的に働くことは生産設備が動かせない時代は合理的でした。自分の足を使わず移動し、毎食好きなものを食べる生活は狩猟採集の生活とはあまりにかけ離れていて、そのことが人間を憂鬱にし、不健康にしていると思います。【嗜好品の魔力】
花粉症と胃の違和感は30年来の持病でしたが、その一つが治り始めました。それも一切お金をかけず水分を数日控えるだけです。中医学やアーユルヴェーダの舌診は知っていましたが、胃の状況が舌の潤いに現れることを実感しました。嗜好品としてお茶やコーヒーを飲む習慣が過剰な水分摂取になります。嗜好品は英語でPleasure Productsですが、日本語のSikohinが世界的に通用するほど日本人の生活に密着しています。嗜好品は味覚や臭覚を楽しみ摂取時の心身の高揚感のために摂取される食品・飲料・喫煙物とされ、心理的、薬理的なメカニズムから依存の対象になります。嗜好品の特質は、栄養やエネルギー源を期待しない、生命維持に強い効果はない、無いと寂しく感じる点にあり、生体維持の機能に関係なくただ楽しむために存在します。生活習慣病の大半が食源病と言われるように、生きるためではなく楽しむために摂取することは自傷行為につながると思います。【秘められた身体能力】
超自然的なオカルトに目覚める人は何割ほどいるのでしょうか。きっかけは様々なれど覚醒する人は印象的な体験をしているはずです。初めて出たトレイルランニングの長距離レースは、吉野の金峯山寺蔵王堂から高野山金剛峯寺根本大塔までの56kmです。修験道の修行場として神聖とされる大峯奥駈道を抜けるコースは天文学的距離に思えました。弘法大師が歩いたと伝わる古道を一歩一歩ゴールに向けて歩みを進めると、半日ほどした頃マインドフルネスの言う「まさに今生きている」という感覚が訪れます。福島にいた頃、毎朝早朝に登っていた那須連山を下るとき、自分の体と思えない速さで岩の上を駆け下りて行けるのが不思議でした。トレイルランニングが自分の考え方まで変えたのは、それが太古の昔から続く肉体活動に酷似し、秘められた身体能力を呼び覚ますからだと思います。【自己愛の是非】
SNSには自己愛があふれています。後先考えず恥ずかしげもなく投稿している自分もそうです。自己陶酔に眉をひそめたくなる投稿がないわけではありませんが、SNSは自己愛が許されるサンクチュアリだと思います。自由な立場で発言すれば結局全てが自己愛に端を発し、それを快く思わない人さえ個人名で発言する限り形を変えた自己陶酔という点で変わりません。イノベーションの多くが思い込みと自己陶酔から出発しているように、抑制されてきた自己愛の発露が許される時代だと思います。SNSと距離を取る人も少なからずいます。その理由は様々でしょうが、SNSの世界観に馴染めないことが理由のひとつだと思います。プロと言われる書き手による一種の言論統制へのオルタナティブとして芽生えたSNSの評価にはまだ時間がかかりそうです。【一人になれる場所】
昨日はラブラドールと陣馬山に登りました。普段高尾山に来るときは始発電車で、歩き始めるのは6時過ぎです。自分と静かに向き合いたいので人に会いたくありませんが、ルートを選んでもハイカーと会わないことはできません。小仏峠に車を停め陣馬山まで3時間で往復します。山の中で迎える朝は格別で、目覚める前の高尾山は神秘的な一面を見せます。体を鍛えるためでも達成感を得るためでもなく、自分を整えるために歩き、筋肉をほぐす程度に走ります。途中で出会ったのは陣馬山山頂の一人だけです。その彼は独り占めできると思っていた山頂に先客がいて、犬まで一緒だったことに気分を害したのか、挨拶をしても素っ気ありません。皆一人になれる場所を探しているのかもしれません。10時には帰宅して仕事を始められます。【健康になるのは難しい】
多くの人が健康を求め、市場には健康情報や商品が溢れながら、飽食やストレスに苛まれる現代は健康になることが難しい時代です。多くの人が健康になれなくて悩んでいる一方で多数の「健康嫌い」が存在し、その理由は同じです。多くの健康本は「~せねばならない」か「~してはならない」のどちらかで、いずれにしても人をネガティブな気分にさせます。そして多くの健康常識は他の常識と矛盾しますので、何かを信じても裏切られることが少なくありません。常に新説が登場する健康常識は、10年前の常識にさえ安心することができません。5年前に「GO WILD 野生の体を取り戻せ!」が日本で出版されたときその目新しい視点に共感しましたが、重要なことは人体のデフォルト状態を知ることだと思います。【現代人を救うケトン体】
昨日の朝は陣馬山まで無補給で往復しました。行楽客の来ない南高尾から北高尾に抜ける40kmは累積標高2,400m超で約2,000kcalを消費します。人間が体内に蓄積できる糖質量だけではフルマラソンを走り切ることもできませんので、就寝中の基礎代謝で使い果たした糖質に変わり脂肪酸から生成されたケトン体がエネルギー源になります。ケトン体濃度を上げるために前日の夕食以降食物を摂取しないので、運動に必要なエネルギーは糖質からケトン体に変わり脂肪が消費されます。糖質制限によりケトン体濃度が上がると、体に蓄えた脂肪が1gあたり9kcal(糖質は4kcal)のエネルギーに転換されますので、無限に近いエネルギーを手にすることになります。良いことにがん細胞は正常細胞と違いケトン体をエネルギーにすることができませんので、糖質制限によるケトン体利用はがん細胞を死滅させる可能性でも注目されます。
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